
世界最大級の化粧品メーカー・日本ロレアル株式会社が、LINEギフトで複数の取り組みにより、目覚ましい成果を得ています。ソーシャルギフトサービスの拡大と浸透に伴い、ますます商機が広がることが予想されるギフト市場において、同社が期待することは何か? ロレアル リュクス事業本部の竹内麻見子さんに話を聞きました。
日本のギフト需要の最上位は「誕生日」
御社では2022年9月以降、「イヴ・サンローラン・ボーテ」「シュウ ウエムラ」「キールズ」「ランコム」「ヴァレンティノ ビューティ」「アルマーニ ビューティ」「メゾン マルジェラ フレグランス」の 7 ブランドが段階的にLINEギフトへ出店されています。まずは、LINEギフトの活用を決めたきっかけから教えてください。
LINEというプラットフォームについては、どのようにイメージされていましたか?
施策のひとつとして、誕生日向けの商品をLINEギフト上で展開されました。これにはどのような狙いがあったのでしょうか。

「LINEギフト限定【お誕生日エディション】キールズ No.1クリーム 27g」は、キールズの人気製品であるクリーム UFCのボトル上部に誕生日メッセージがあしらわれた、LINEギフトだけの特別なデザイン
誕生日向け商品として、最初にリリースされたのはキールズのクリーム UFCのお誕生日エディションでした。この商材をセレクトされた理由は何でしょう。

「LINEギフト限定【お誕生日エディション】キールズ No.1クリーム 27g」は2023年4月の発売以来、順調に売上を伸長。LINEギフトの誕生日ギフトとしても人気商品として定着している
果たして、「お誕生日エディション」は通常版と比較して月平均で約 7.7倍(※)の売上を誇る人気商品になるという、著しい結果が出ています。
誕生日、クリスマスに続く需要の掘り起こしを目指して

「もらった人が色や香りを選べる機能」がある製品では、ギフトを受け取った相手が自分好みの色や香りを選択して受け取ることができる。ギフト選びにおける難しさをひとつクリアした、ソーシャルギフトならではの機能

「お友だちが色を選べる【YSL No1リップ】シロップリップ」は2023年5月に「もらった人が色や香りを選べる機能」をテスト導入。シーズナルでの効果的な打ち出しも功を奏し、ショップがオープンした2022年9月と023年9月との比較で、売上は約 31.9 倍の伸び率となった。

今後、LINEギフトに期待することを教えてください。
そして、その他の需要としては、クリスマスや母の日が想定されますが、これは見方を変えれば、年間の大きな商機がまだその程度しか開拓できていないということでもあります。ビューティ系アイテムの新たなビジネスチャンスの開拓に、ぜひご協力いただきたいと考えています。
逆にLINEギフト全体で見れば、以前はスキンケアやボディケアなどのカテゴリが売上げの上位を占めていましたが、御社の参入によりメイクアップのカテゴリが大きく拡大しました。ギフト需要の掘り起こしの成果は、早くも表れ始めているように思います。
(原稿:友清哲/撮影:木原基行)2023年11月16日