
食材やスパイス、水、塩など、素材にとことんこだわった“ごちそうレトルト”専門店、「NISHIKIYA KITCHEN」。
LINEギフト内ではまだ認知度の低い状態から、さまざまな施策を講じて人気ブランドに急成長した背景を、株式会社にしき食品の営業本部通販部・主任、大場明日香さんに話をお聞きしました。
LINEギフト内ではまだ認知度の低い状態から、さまざまな施策を講じて人気ブランドに急成長した背景を、株式会社にしき食品の営業本部通販部・主任、大場明日香さんに話をお聞きしました。
EC 強化を狙いソーシャルギフトに着目
まずはLINEギフトに出店を決めたきっかけから教えてください。
大場さん:きっかけは社内でソーシャルギフトの導入を検討していたことでした。自社ECに紐付ける形で、何らかのサービスと連携できないかと模索していたところ、私たちも日常的に使っているLINEギフトが便利でいいだろうと考えました。
何より、まだ「NISHIKIYA KITCHEN」をご存じない方に知っていただく良い機会になるはずだという期待があり、こちらからLINEギフトさんに問い合わせを入れさせていただきました。実際に出店に至ったのは2021年の6月のことです。
何より、まだ「NISHIKIYA KITCHEN」をご存じない方に知っていただく良い機会になるはずだという期待があり、こちらからLINEギフトさんに問い合わせを入れさせていただきました。実際に出店に至ったのは2021年の6月のことです。
自社ECに関して、当時どのような課題感をお持ちだったのでしょうか。
大場さん:弊社では10年以上前からECを展開していて、コロナ禍で実店舗の売上げが低迷する中でも、重要な販路として定着していました。その一方で、緊急事態宣言やまん延防止重点措置によって外出が控えられていた期間には、住所を知らない相手にプレゼントを贈ることができるソーシャルギフトへのニーズの高まりを感じていました。ECをさらに強化するにはソーシャルギフトはうってつけで、ぜひ導入したいと考えたわけです。
さまざまなサービスが存在する中で、LINEギフトというプラットフォームにどのような特性を感じていますか?
大場さん:やはり「LINE」は日本人の大半が使っているコミュニケーションツールですから、マーケットの規模は絶大です。我々としては新しいお客様に認知を広げていくにあたり、LINEギフトはこれ以上ないプラットフォームだと思います。それまでは実店舗と自社ECのみの展開だったのため、まだまだ認知が行き届いていない層がいると感じていましたので、なおさらですね。
LINEギフト出店について、社内での決断はスムーズでしたか?
大場さん:そうですね。デメリットがとくに見当たらないので、すんなり決まりました。これが他のプラットフォームですと、自社ECと食い合ってしまうところもあるのかもしれませんが、LINEギフトに関しては、住所を知らない方へのギフトが中心になるため、そうした懸念もありませんでした。

株式会社にしき食品 営業本部通販部 大場明日香さん
実際に出店してみて、どのような効果や成果を感じていますか。
大場さん:最初から大きな売上げが得られたわけではないのですが、それでも出店直後に「父の日」があり、これまでにない需要を獲得できた手応えはありました。というのも、自社ECでは配送スケジュールの都合上、どうしてもイベントの1週間前にはオーダーを確定していただかなければなりませんが、LINEギフトでは当日その場でオーダーできるのがやはり強みですよね。
また、LINEギフトでの売上げが伸びるにつれて、自社ECの売上げもアップしたのは興味深い現象でした。これは巣ごもり需要やメディア露出に加え、LINEギフト出店による認知向上の効果だと捉えています。実際にLINEギフトをきっかけに「NISHIKIYA KITCHEN」を知ったというお声もいただいています。
また、LINEギフトでの売上げが伸びるにつれて、自社ECの売上げもアップしたのは興味深い現象でした。これは巣ごもり需要やメディア露出に加え、LINEギフト出店による認知向上の効果だと捉えています。実際にLINEギフトをきっかけに「NISHIKIYA KITCHEN」を知ったというお声もいただいています。
商品画像のアレンジで前年比300%の例も
先ほど、「最初から大きな売上げが得られたわけではなかった」というお言葉がありました。出店当初の苦労を教えてください。
大場さん:最初は自社ECと同様に、単品商品やカレーセットなどを展開していたのですが、そもそもブランド認知が進んでいない状態では、なかなかギフトに選んでもらうことはできませんでした。出店から1年ほど経ったところでLINEギフトさんからお声がけいただき、アドバイスに沿って商品名や画像をアレンジするなどの工夫を凝らしたことが、売上げアップに繋がっています。
具体的にはどのような工夫をされたのでしょうか?
大場さん:たとえば、当初は単に「大辛カレー3種セット」として、レトルトのパッケージ写真を3つ並べた画像を使っていましたが、これではユーザーに魅力が伝わりきらないとご指摘をいただきました。そこで商品名を「辛いもの好き集合!大辛カレー食べ比べセット」と変更し、画像も実際にお皿に盛った、よりシズル感のあるものにアレンジしたところ、月間販売数0の状態からショップ内で月間2位(2022年5月度)へと、一気に売上げが伸びたんです。
同様に、「国産野菜たっぷりスープ6個入【季節限定BOX/選べるシール】」というセット商品も、画像をよりユーザーの目を引くものに撮り直したところ、この商品の売上げが前年比約300%という、驚くべき成果を得ました。
同様に、「国産野菜たっぷりスープ6個入【季節限定BOX/選べるシール】」というセット商品も、画像をよりユーザーの目を引くものに撮り直したところ、この商品の売上げが前年比約300%という、驚くべき成果を得ました。



左から改善前の商品画像。 シズル感や食べ比べが感の伝わるように商品画像を改善した結果、売上アップに繋がった。
商品名+商品画像の最適化が見事にハマった、と。
大場さん:そうですね。自社ECのほうでは、もともと「NISHIKIYA KITCHEN」をご存知の方にご利用いただくケースが多いので、そうではない方に対してどうすれば訴求できるのかを学ばせていただきました。とくにLINEギフトの場合、同じページにグルメ分野の商品がずらりと並ぶので、視覚的な差別化を図ることは非常に重要だと知りました。

画像改善後の「国産野菜たっぷりスープ6個入【季節限定BOX/選べるシール】」
撮影などのクリエイティブについては、どのような体制を組まれているのでしょうか。
大場さん:現在はその都度、専門のカメラマンやスタイリストの方に発注しています。出店当初はLINEギフトのためだけに撮影コストをかける発想がなかったのですが、大半のユーザーがスマホの小さな画面で見ていることを踏まえれば、やはりプロの方にお願いして、端的に美味しそうに見える画像を用意すべきだと考えを改めました。また、商品がどのような状態で届くのかがわかるように伝えることも大切だと思います。これも試行錯誤の末に得られた知見ですね。

なるほど。最後に、今後LINEギフトでやってみたいことや目標があれば聞かせてください。
大場さん:今まさに、今夏の施策についてディスカッションしているところなんです。「NISHIKIYA KITCHEN」はもともとカレーがメインのブランドでありながら、LINEギフトではスープの売上げが中心でした。ただ、スープはどうしても夏場の需要が落ちてしまいがちなので、これをどうするかが目下の課題です。LINEギフトさんにはマーケティングのプロの方がそろっているので、お知恵を借りながら有効な戦略を考えていければと思っています。
今後の取り組みにも大いに期待しています。本日はありがとうございました。
(原稿:友清哲/撮影:木原基行)2024年4月12日