ギフトだから記憶に残る。“贈り合う関係性”に焦点をあてた、スシローの販売促進施策

LINEギフトで行われている販促施策のひとつに、Gift&Get(もしくはGift1 Get1)という取り組みがあります。友だちにギフトする(Gift)と自分もプレゼントが1つもらえる(Get)キャンペーンのため、相手も自分も、プレゼントが届く楽しみを体験しあえるのが特徴です。

また、これまで商品を知らなかったLINEギフトユーザーやその友だちに、自ショップの商品を体感してもらいやすくなるため、ショップの認知拡大にも繋げることができます。

「Gift」と「Get」は同一商品、もしくは同ショップの別商品で実施されます。

そこで今回は、全国に店舗を展開する回転寿司チェーン「スシロー」の運営元である株式会社FOOD & LIFE COMPANIES、広告宣伝部販促課の田中実氏に、Gift&Getの活用事例や、回転寿司とギフトの相性について、話を聞きました。

新規顧客や休眠顧客の掘り起こしに期待

御社がLINEギフトに出店されたのは2023年6月です。500~5,000 円の幅広い価格帯のe ギフトを出品していますが、きっかけは何だったのでしょうか?

田中さん:出店については、実はコロナ禍の最中から検討を始めていました。コロナ等の影響で以前より来店が遠のいている傾向がありましたので、これが再度来店するきっかけになればと思い、出店を進めました。LINEギフトは知っている人同士で贈り合うものですので、距離感の近い人からおすすめされるような、ポジティブな口コミ効果もあるのではないかと思います。

日本全国に645店舗を構えるスシロー。贈る相手を選ばず、カジュアルにも、特別なお祝いにも贈ることのできるギフトとして、LINEギフトでも人気ショップの一つ。

なるほど。eギフトを贈る際に、好意的な口コミが一緒に伝えられる可能性が高い、と。 

田中さん:うですね。「スシロー」を選んで贈る人は、もともとブランドを気に入ってくれている方が多いのだろうと思います。一方で、受け取る人はそうとは限りませんが、ギフトが贈られることで「スシロー」に行くきっかけが生まれます。つまり、新規顧客の獲得や休眠顧客の掘り起こしに繋がるのではないかという期待がありました。eギフトには実店舗に足を運んでいただける強い力があると思っています。 

回転寿司とeギフトの相性について、不安はありませんでしたか?

田中さん:不安はそれほどありませんでした。既に飲食業態での出店があったので需要はありそうでしたし、「スシロー」ファンの方にご利用いただけるのでは、と思っていました。個人的にも、家族の誕生日や親への贈り物にちょうど良い、使いやすいギフトだなと感じています。

お話を伺った、株式会社FOOD & LIFE COMPANIES、広告宣伝部販促課の田中実さん。

では、導入に際して、システム面などで苦労は?

田中さん:社内のシステムで発行したクーポン情報を、LINEギフトでQRコードとして表示させる、という開発が必要でした。ですが、ちょうどLINEギフトで開発対応されるタイミングだったこともあり、比較的スムーズに出店することができました。

ギフト体験が認知に変わる「Gift&Getキャンペーン」

昨年10月には、誰かに3,000円分チケットをギフトすると贈り主にも500円チケットがバックされる「Gift&Getキャンペーン」にも参加されました。こちらの成果はいかがでしたか。

田中さん:LINEギフトへの出店から4ヶ月目に、もっとスシロー出店の認知をあげたい、という狙いで実施しました。初めてだったのでどれくらい売れるかわからず、先着2万件に限定していたのですが、キャンペーン開始から早々に売り切れてしまい、反響の大きさに驚きました。

それは素晴らしい成果ですね。実際に、その後の認知や売上げに変化はあったのでしょうか?

田中さん:ありがたいことに出店以降、順調に売上げが伸長しており、改めてLINEギフトのポテンシャルは凄いな、と感じました。またGift&Getキャンペーンでは贈る側2万人と受け取る側2万人の合計4万人がギフトを手にしますので、認知の向上と売上伸長に貢献してくれた、と考えています。
2023年10月に行われた、スシロー「Gift&Getキャンペーン」の特設ページ。
※本キャンペーンは終了しております。

ただ購入するだけではなく「相手に贈る」ことが必要な施策なので、このキャンペーンでLINEギフトに「スシロー」が出店していることを知った方も多いのではないでしょうか。 

田中さん:出店間もない時期でのキャンペーン実施でしたので、これによって認知が広まったことは間違いないと思います。LINEギフト内での露出も多く、たくさんのユーザーの目に触れる施策ですので、その結果測定方法については今後も深掘りしていきたいですね。

「スシロー」のeギフトを受け取ったら、まず使わない手はないと思うのですが、最も使われているのはどの価格帯ですか?

田中さん:3,000円チケットが多いですね。友人や家族に贈るにあたって、ほどよい金額なのだと思います。3,000円だと一人で使い切るには少し多い金額だと思いますので、どなたかと一緒にご来店される場合もあるのではないでしょうか。ギフトをきっかけに、より多くの方に「スシロー」を知っていただける機会が生まれているのでは、と嬉しく思います。

お祝いの気持ちが自然と伝わる、ハレの日ギフト

ここまでのご経験上、「スシロー」のギフトが最も売れる時期はいつですか?

田中さん:母の日ですね。父の日と比べても数倍の売上げがありました。その他ではクリスマスにちょっとカジュアルなプレゼントとしてご利用いただいたり、お正月にお年玉代わりに贈られたり、という使われ方が多いようです。3月の卒業シーズンにも需要がありました。

やはりお寿司の特別感は、お祝いごとと相性がいいんですね。 

田中さん:そうかもしれません。実はクリスマスなどイベント翌日にも一定の需要があり、当日にすぐ贈ることができるのも、eギフトのメリットだと感じています。今後もeギフトの市場は成長していくと思いますので、「スシロー」もより多くの方に使ってもらえるよう、様々な取り組みを検討していきたいです。

ハレの日ギフトとして、今後も需要が拡大していきそうですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。

(原稿:友清哲)2024年9月19日