商品の“見せ方”へのこだわりで、独自のヒット路線を開拓。セレクトショップ「アンジェ」の商品戦略

インテリア雑貨の人気セレクトショップ「アンジェ」を展開するセレクチュアー株式会社。LINEギフトでは同社の他のEC販路と異なり、ビールやスイーツ類が人気を博しています。プラットフォームの特性や傾向を敏感に読み取り、ラインナップに反映させる戦略について、同社の第1事業部事業部長、田口雅子さんに話を聞きました。

LINEギフトの特性を見極めて、商品構成をアレンジ!

自社のECをはじめ様々なプラットフォームを活用されている御社にとって、LINEギフトはどのような位置づけになるのでしょうか。

田口さん:やはり最大の特徴はギフトに特化している点で、「アンジェLINEギフト店」では現状、他のプラットフォームとはまったく異なる商品を展開しています。わかりやすいのがビールで、これほどアルコール類が売れる販路は他にありません。LINEギフトは数多あるショッピングモールの中でも唯一、若い世代の客層を取り込んでいるプラットフォームだと思いますので、自ずと他の販路と傾向が変わってくるのでしょうね。

ビールを中心に売る戦略は、出店当初からのものですか?

田口さん:いえ、最初の頃は他のモールと同様のラインナップでやっていましたが、あまり売上げがふるわない時期もあったと聞いています。そこでLINEギフトの担当の方と情報交換を重ねながら、自分たちの強みを生かせるラインナップを検討してきた結果、4~5年前のクリスマスギフトが大きな反響を呼び、現在のかたちに着地しました。このあたりは商品構成を柔軟にアレンジできるセレクトショップの強みではないでしょうか。 

他のEC販路とは違い、LINEギフトではビールなどの酒類に加え、スイーツなどの商品が売上を伸ばしている。

販路ごとに商品戦略もアレンジしている、と。

田口さん:そうですね。自社ECや他の販路ですと、ここ5~6年インテリアのオリジナルブランドやベビー・キッズブランドの強化を行い、オリジナル商品中心の商品ラインナップに力を入れて「アンジェ」を運営してきましたが、近年LINEギフトではセット商品や誕生日向けの商品など、ギフト需要を狙ったオリジナル商品の比率も増やしています。

そうした商品構成は、どのような方針に基づいているのでしょうか。 

田口さん:弊社はもともと、“物”を売るのではなく商品の“価値”を売ることにこだわってきた会社です。そのため価格競争の中でリーズナブルな物を取り扱うよりも、これまで培ってきたお客様との関係を大切にしながら、いま求められている商品を売っていくことを重視しています。もともとメールマガジンを配信してお客様とコミュニケーションを取り、弊社の提案に対する反応を見ながら数字を作っていくスタイルなので、それがLINEギフトでも生きているように思います。

お酒とお菓子を組み合わたセット商品や、バースデーカードを付けて誕生日向けギフトにアレンジして出品するなどユーザーニーズに合わせた商品提案を行なっている。

なるほど。そうした工夫の結果、商品構成がビールやスイーツなどにシフトしてきたのには、どのような理由があると分析していますか。

田口さん:私たちも正確には把握していませんが、やはりギフト需要なので、消え物のほうが気楽で贈りやすいのではないでしょうか。LINEで繋がっているカジュアルな関係の相手にプレゼントを贈るなら、価格帯的にもビールやおつまみは手頃で選ばれやすいと感じます。「オーガニックポテトチップス」や「贅沢トリュフポテト」とビールのセットは、カジュアルながらも特別感があるのかなと思います。

若い世代があまりお酒を飲まなくなっている傾向は、逆風になりませんか。

田口さん:たしかに当初は、30~40代をターゲティングしたほうがいいのかもしれないと思っていたのですが、実際には若い世代のお客様に多くご利用いただいているので、世代についてはあまり気にしていません。

これまでの経験で培った、商品を魅力的に伝えるテクニックとは

シーズンごとの動きなど、LINEギフトでの売れ行きの傾向についてはいかがでしょうか。

田口さん:そのあたりはLINEギフト全体の傾向と一致しているのではないでしょうか。ただ、他のモールのユーザーと違い、LINEギフトでは「アンジェ」というブランドを認識してご購入いただく方は、極端に少ないように感じています。どちらかといえば、LINEギフトが仕掛ける特集を見て商品に手を伸ばす方が多い印象で、自ずとそれに合わせた“見せ方”が必要になります。

確かに「アンジェ」の商品ページは、写真と紹介文が非常に巧みで興味をそそられます。とくに紹介文は一定のボリュームがありながら、それを感じさせない読みやすさが特徴ですね。 

田口さん:そこは他のECを含め、多くの商品ページ作成で培ったノウハウが生きています。商品の良さを文章でいかに効果的に伝え、購買意欲を喚起するかという点に長年こだわってきた賜物ですね。たとえばビールを売る際、スタッフが飲んで美味しかったとどれだけ文章で語っても、なかなか伝わるものではありません。でもそこで、文章ならではの伝え方で、少しでも好印象を持っていただく工夫を随所に凝らしているつもりです。

ギフトサービスだからこそ、その商品が「どんな人向けなのか」「どんな利用シーンで楽しめるのか」を丁寧に伝えることで、購入への後押しへ繋がっている。 

その秘訣は……企業秘密でしょうか? 

田口さん:そうですね(笑)。でもひとつだけお伝えすると、お客様との関係性において、相手が「仲の良い先輩」という立場をイメージした文章を作るようにしています。雑貨でもお酒でも、それに詳しい人が先輩に教えてあげる、そんなスタンスです。このイメージを持っていると、先輩相手だから上から目線の物言いにはならないですし、かといって仲の良い先輩相手だからへりくだりすぎもせず、適度な距離感で商品の魅力を伝えられるのでは、と考えております。

商品の画像もとても素敵ですが、何か特別な撮影技術があるのでしょうか?  

田口さん:撮影に力は入れているものの、特別な技術はありません。社内にスタジオがあり、カメラマンさんのみ外部の方に委託をしていて、それ以外の構成からスタイリングは全て社内のスタッフで行なっております。写真の構成は特に重要視しており、例えばちょっとお値段の高いお酒であれば高級感のあるシックな雰囲気に演出するなど、商品の特徴やターゲットに合わせて雰囲気を変え、商品を見たお客様に「素敵」と思ってもらえるよう心掛けております。

メインの商品画像の撮影だけではなく、実際にどのように商品を楽しめるのか細部までお客様に伝えられるよう、複数の構成パターンで撮影を行なっている。 

最後に、今後のLINEギフトでの展望などあれば教えてください。 

田口さん:私たちは通常、売れ行きを見ながら商品を提案させていただく方針ですので、今後もビールを中心とした展開が続いていくのかは、正直わかりません。そのため次の柱を育てることは常に意識していて、LINEギフト側が仕掛ける特集で取り上げられやすい商品セレクト、あるいは見せ方を、私たちらしさを出しながらさらに工夫していかなければならないと思っています。また弊社としても主力の商品である雑貨商品やキッズ・ベビー向けのオリジナル商品も伸ばしていければと考えております。

今後の展開も楽しみにしています。本日は貴重なお話をありがとうございました。

(原稿:友清哲行)2024年10月30日