専用の撮影スタジオを設立!クリエイティブ改善に注力してきた銀座千疋屋の取り組み

旬のフルーツや果実の美味しさが凝縮されたスイーツなど、バリエーション豊かなギフト商品で名を馳せる銀座千疋屋。明治時代創業という伝統のこのブランドもまた、LINEギフト上で新たな顧客へのアプローチに成功し、成果を上げています。株式会社銀座千疋屋ホールディングスの山口十夢さん(経営企画部課長)、野口麻記子さん(広告宣伝部WEB課)のお二人に、これまでの取り組みについてお聞きしました。

一昨年の「母の日」を機に、前年比640%の大躍進!

LINEギフトへの出店は2021年9月から。まずは出店に至った経緯から教えてください。

山口さん:先に出店していたYahoo!ショッピングからの紹介でした。我々としても販路の拡大は常に考えておりましたので、これは渡りに船のお声掛けだったと思います。

こうしてギフトに特化したプラットフォームについて、当時どのような印象をお持ちでしたか。

山口さん:そもそも我々のブランドは、基本的にギフト市場向けと言いますか、9割の方がプレゼントするためにご利用いただいています。だから親和性としてはもう、100%ですよね。

ただ、LINEが運営するプラットフォームということで、本来の我々の顧客層よりもいくらか若い層が中心になるはずで、そこへ向けて客単価を抑えた商品開発を行わなければならないという、課題感も同時に感じていました。

出店から3年、実際の成果についてどのような手応えを感じていらっしゃいますか?

山口さん:この3年間はLINEギフト自体が大きく成長した期間でもあり、その大波に我々もうまく乗せていただくことができ、大変ありがたく思っています。出店当初からそれなりに良い数字は出ていましたが、特に一昨年の「母の日」あたりから伸び率が急激に上がりました。

野口さん:これはLINEギフト側の特集でうまく訴求して頂けたことが大きいと思うのですが、想定を大幅に超えるオーダーが入り、いったい何事かと社内がかなりざわつきました(笑)。なにしろこの5月は前年比で、実に640%という成果でしたので。

左から、株式会社銀座千疋屋ホールディングスの山口十夢さん、野口麻記子さん

640%!これは在庫管理や発送作業が大変だったのではないでしょうか。

野口さん:正直、突然だったので在庫については危なかったですね。なんとか2週間以内に納品を完了させようと、工場にもかなり無理を言って、どうにか対応した形です。

山口さん:それ以前からも、堅調に伸び続けてはいたんです。もともと弊社としても、今後はソーシャルギフトが来るだろうという予測は立ててはいましたが、これほどタイムリーに波に乗れたのは嬉しい誤算ですよね。

実際の利用者層や客単価については、当初のイメージ通りでしょうか。

山口さん:そうですね。従来の我々のお客様よりも若く、客単価もやや低めです。一方で、販売数がとにかく増えていますし、何よりこれまでアプローチできていなかった若い年代の方にもアピールできているのは大きなメリットだと思います。

さらなる売上げアップを目指して、専用スタジオを用意

販路として、LINEギフトならではの特徴をどのような部分に感じていますか。

山口さん:ブランド名が通用しないと言いますか、LINEギフトのユーザーの方は、銀座千疋屋という名前で商品を選んでいるわけではないように感じています。それよりも純粋に商品力、あるいは魅力的な画像など見た目の印象も大きく影響するプラットフォームであることを実感しています。

その点、御社では商品画像などのクリエイティブにも定評があります。心掛けていることや、試行錯誤の歴史について聞かせてください。

野口さん:弊社ではこれまで法人向けのカタログが中心だったため、社内で用意できる商品画像のバリエーションが乏しかったという前提がまずあります。たとえばお中元やお歳暮の時期に合わせて、わりとかっちりとした商品画像を撮ることはあっても、具体的に何らかのシーンをイメージさせる画作りは重視していませんでした。
しかし、LINEギフト側からもアドバイスをいただきながら、SNS用に撮影していた画像を転用するなど、少しずつアレンジしていったところ、効果が数字にもはっきり表れるようになりました。そこでよりBtoCに注力するために、社内に専用の撮影スタジオを設けたのがいまから1年ほど前のことです。

法人向けのカタログ用の画像(左)から、より中身がわかる画像(右)に変更したことで売上が成長した。

専用スタジオを新設するというのは、会社としても大きな決断だったのでは?

野口さん:そうですね。事あるごとに画像の重要性を訴え続けて、社内を洗脳してまわった成果だと思います(笑)。LINEギフトでの売上が大変好調に推移しているおかげで、社内で交渉しやすかったというのもありますね。

カタログ用の画像と、LINEギフト用の画像、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。

野口さん:カタログの場合は、どのような箱にどのような商品が入っているかという、説明的な画像である必要があります。一方、LINEギフトでは受け取った人が喜んでくれるかどうか、そして実際にどう味わうのかを想像しやすい画像が求められると思います。

説明的な正確さよりも雰囲気重視というか、たとえばスプーンですくった際のシズル感のようなものを伝えることを心掛けています。

山口さん:撮影はプロのカメラマンがやるのですが、盛り付けなどは弊社の常務が自分でやっているんです(笑)。たまたまそういうのが得意だったようで、助かっています。

素晴らしいですね。専用スタジオを持ったことで、自由度は上がりましたか?

野口さん:そうですね。LINEギフト側から「こういう画像があるといいですね」とアドバイスをいただいた時など、それに合わせた画像をすぐに撮影できるのは大きなメリットだと感じています。

山口さん:また、SNSでの反応や言及もチェックしており、どういう画像がウケが良いかをちゃんと把握しているので、それを参考に次の撮影に生かすようなこともできますしね。

自社のスタジオの様子。ここで試行錯誤を重ね、素敵な商品画像を撮影している。

現状、クリエイティブに関して何か課題はありますか。

野口さん:まだまだ、他社はさらに上を行っている印象がありますから、課題は多いと思います。ページの作り込み方もそうですし、商品の説明の仕方もそうです。弊社は長らく銀座千疋屋というブランド名に頼ってきた面があり、そのため説明不足になりがちな傾向があると感じます。このあたりは引き続き、試行錯誤しながら改善を図りたいですね。

最後に今後、LINEギフトでやってみたいこと、ご要望などがあれば教えてください。

山口さん:あくまで個人的な思いですが、 LINE ギフトではどうしても「相手に喜んで欲しいけど、好みが分からない」という理由から、結局はゼリーやアイスなど万人受けする無難な商品が選ばれやすい傾向があるように感じています。しかし、我々のラインナップの中には好みが分かれそうだけどすごく美味しい商品もたくさんあります。

そこで、贈る側は価格帯だけを設定して、贈られる側が欲しいものを選択できるようなシステムがあればいいなと思いますね。そうなればよりソーシャルギフト市場が活性化するでしょうし、ぜひそういうサービスを開発していただきたいです。

なるほど、今後の参考にさせていただきます。本日は貴重なお話をありがとうございました。

(原稿:友清哲 撮影:木原基行)2025年1月17日