成長を続ける「母の日」需要。“花×ソーシャルギフト”の可能性を広げる「bloomee」の取り組み

LINEギフト上において、年間を通して最大級のシーズナルイベントである「母の日」。今年も前年比121%とさらなる成長を見せ、ソーシャルギフトとの親和性を印象付けました。
LINEギフトにおける「母の日」需要は右肩上がりの成長を続けています。この「母の日」の舞台裏で、出店者はどのような取り組みを講じているのでしょうか?
今回は、人気フラワーショップ「bloomee」を運営する、ユーザーライク株式会社の大石しずかさんに話を聞きました。

例年大きな賑わいを見せる「母の日」のソーシャルギフト市場

離れた地域で暮らしているからこそ、両親の様子は気にかかるもの。とりわけ年に一度の「母の日」は、LINEギフトにおいて当日の流通額が最も多いイベントであり、それだけお母さんに感謝の気持ちを手軽に伝えたい人が多いことを表しています。
「母の日」の贈り物といえば、真っ先に思い浮かぶのがカーネーションをはじめとする花。今回はこの最大のシーズナルイベントに際し、ソーシャルギフト市場全体が伸び続ける中で、「bloomee」の現場で実際に起きていること、考えていることを探ります。

花は受け取るハードルが高い商品

――まずはLINEギフト出店の経緯から教えてください。

大石さん:弊社は花の定期便を中心に、大なり小なり様々な事業を運営しているスタートアップ企業です。花というのは贈り物と非常に相性のいい商品ですから、我々としても当然、ギフト市場を視野に新たな販路の開拓を目指していました。そこでより広くお客様と接点を持てる販路を模索していたところ、行き着いたのがLINEギフトでした。実際に出店に至ったのは2022年の初頭からになります。

ギフト需要を掘り起こそうと考えた際、ソーシャルギフトに着目したのはなぜでしょうか。

大石さん:花というのは受け取る際のハードルが高い商品なんです。生ものなので宅配ボックスで受け渡しをすることができず、必ず在宅している必要があります。その点、LINEギフトは贈り手がLINEでメッセージを送付し、受け取る側自身が後から住所を入力する仕組みになっています。そのため、受取人が新鮮な状態の花を受け取ってもらえるのは、我々にとって大きなメリットでした。

ユーザーライク株式会社 大石しずかさん

実際にLINEギフトに出店した当初、反響や成果についてどのような手応えが得られましたか。

大石さん:未知数なりにもLINEギフトから一定の注文が入ることは予想していましたから、良い意味で想像通り、という印象を受けました。また、当時の販路は自社ECだったので、それ以外のところで売上げが立つことに喜びもありました。それと同時に、まだまだ大きな成長の余地が残されていることを実感したのを覚えています。

「母の日」の経済効果は「敬老の日」の5倍以上

フラワー業界において、やはり「母の日」は重要なイベントですよね。

大石さん:そうですね。自社ECの動きを見ていても、毎年「母の日」には大きく売上げが伸びています。それに次いで需要が高いのが「敬老の日」ですが、花系の経済効果で見れば「母の日」と5倍以上の開きがあると見ています。

そんな「母の日」に備え、御社では毎年どのような準備を行っているのでしょうか。

大石さん:大きなイベントなので念には念を入れ、商品撮影やクリエイティブ制作などはかなり早めに、昨年の12月頃から進めていました。また、重要なのは在庫管理で、「母の日」に合わせて普段の10倍以上の発注をかけるため、一時的に倉庫を拡張する手配も必要ですし、運送会社さんのスケジュールを前もって押さえなければなりません。
さらに花は、商品制作から発送までの間に、水につけたり、茎を切ったり、他の商品にはない細かな工程が発生します。その工程のアレンジも、状況に合わせて適切に判断するよう配慮しました。
「母の日」に向け、クリエイティブ面でとくに工夫したことは?
大石さん:花は受け取ったらすぐに飾るものですから、実際に飾ったらどうなるのかがイメージしやすいビジュアルを心掛けました。また、実際の売上データからもスイーツと花をセットで贈れる点に弊社の優位性があると考えていますので、当然、クリエイティブもそこを意識して打ち出すようにしています。
その意味ではパートナー企業様あっての成果ですから、常にお互いのブランドイメージを大切にしながらクリエイティブを意識しなければならないと思います。

LINEギフトで売れ筋の花とスイーツのセット

「母の日」でのブランドの認知向上など、何かポジティブな影響はありますか。

大石さん:「bloomee」はまだまだ広く知られたブランドではありませんが、それでも「母の日」以降、SNS上にハッシュタグの付いた投稿が多く見られたり、自社SNSへの「いいね」が増えたり、様々なところで認知の向上を感じています。あらためて、LINEギフトとSNSの相性の良さを知った思いです。

一方で、膨大なオーダーが集中するだけに、「母の日」ならではの苦労も多いでしょうね。

大石さん:たとえばトーク履歴の管理が難しく、できるだけ素早くエクスポートする方法を、AIを交えて検討したこともありました。ピーク時にはどうしても即日発送に対応しにくいのが実情ですが、それでも業務フローをそのつど改善しながら、少しでも早く出していくオペレーションを組み立てたつもりです。

「花×ソーシャルギフト」の今後の可能性

「母の日」にかぎりませんが、御社では他の商品と花のセット売りで大きな成果をあげています。

大石さん:LINEギフトのユーザーは、視覚的な部分で商品をセレクトする傾向が強いように感じます。そのため、たとえばバースデー利用の際にメッセージカードが1枚つくだけでは弱く、スイーツやコーヒーなどとセットになったパッケージが効果を発揮しやすいのではないでしょうか。

セット売りのアイデアはどこから生まれたのでしょうか。

大石さん:これはLINEギフト出店前から行っていたもので、話している中であがったアイデアでした。実際に弊社のECのほか、複数の販路で試してみたところ、上々の反響がありました。うちとしても定期便以外の顧客接点を持ちたかったので、積極的にこのジャンルを開拓していった形です。
ただ、最初の頃は花にハンバーグやステーキをセットにしたパッケージなど、実験的な試行錯誤を重ねていましたが、結果は振るいませんでした(苦笑)。それも貴重なデータではあるのですが。

LINEギフト上で人気のセット商品例

花という商品を扱う難しさを、どのようなところに感じていますか。

大石さん:やはり鮮度でしょうね。これはソーシャルギフト全体の課題にも通じることですが、在庫として弊社が抱えている商品をいつお届けするかというのは、注文をいただいた時点では未確定です。受け取る方が送付先の住所を入力し、処理を完了されて初めて発送日が決まるため、商品の鮮度をどう担保するかは現場の大きな課題です。
また、これは花よりスイーツに言えることですが、商品の撮影中も時間がたてばたつほど乾燥し、美味しそうに見えなくなってしまいますから、現場でのスピード感は大切です。その上でどういうクリエイティブが効果的なのか、日々ABテストを重ねてノウハウを学んでいます。

「母の日」や「敬老の日」のほか、今後強化したいイベントは?

大石さん:強いてあげれば、クリスマス需要はもう少し頑張って向上させられるのではないかと考えています。それから、誕生日や記念日というのはユーザー様にとって1年中あるものですから、そこを定常的に底上げできるような商品開発を進めていきたいですね。

最後に、LINEギフト上で今後チャレンジしたいことがあれば教えてください。

大石さん:最近、他のカテゴリーでよく見かける「選び直せるギフト」は、ぜひ花でもやってみたい機能です。現場事情からすると難しいところもあるのですが、ユーザー様の選択肢も広がりますし、弊社としても今後こういった取り組みにまで視野を広げていくのは有意義だと思います。
まだトライできていない部分で言えば、カタログギフトに関心があります。弊社では多くの種類の花を扱っていますし、セットにできるスイーツのラインナップも今のところトップだと自負しています。“いろいろ選べるショップ”を目指す上で、カタログギフトは理想的なアウトプットになるのではないでしょうか。

(原稿:友清哲)2026年6月15日