LINEギフトの成長戦略とは?メディア向け事業説明会レポート

8月20日に開催した「LINEギフト」のメディア向け事業説明会では、サービス責任者の嘉戸彩乃が登壇し、LINEギフトの特徴や今後の展望について説明しました。本記事では、その内容の一部をお届けします。
本コラムを通じて、LINEギフトの現況や特長、他ショップの成功事例などを掴んでいただき、出店のご検討やショップの運営にご活用いただければと思います。

LINEギフトについて 

まずは、ギフト市場やLINEギフトの特徴についてご説明します。

国内ギフト市場は、コロナ禍による一時的な縮小から回復し、2024年は11兆円に達すると予測とされています。日本の小売市場全体が130兆円超の規模であることを考えると、ギフト需要は全体の約8%に相当します。

ソーシャルギフトは2020年頃から注目を集めています。これは、コロナ禍で直接会うことが難しくなった中、オンラインで贈り物をする需要が高まったためと考えられます。

ギフト市場には大きく分けて3つの領域がある

LINEギフトは2015年にサービスを開始し、累計ユーザーは3,500万人を超えています。
※2024年7月時点
LINEギフトの年間利用者数は、贈った人が約1,000万人、もらった人が約1,500万人であり、LINEユーザーの5人に1人が年間でLINEギフトを利用していることになります。
※2023年4月~2024年3月のデータ

利用者の約60%が女性です。年代は20~30代が中心ですが、母の日や父の日ギフトとして利用いただくケースが増えており、コアユーザーの親世代である40~50代の利用者も徐々に増加しています。

LINEギフトは、LINE内でのコミュニケーションがきっかけで利用されることが多く、日常使いが主な利用シーンで、そのうち約7割が誕生日ギフトです。

LINEアプリには友だち登録されている人の誕生日が近づくと通知が表示される機能があるため、これをきっかけにギフトを贈るケースも多く見られます。

「相手がいる」ギフトサービスならではの機能や仕掛け

LINEギフトが大切にしているのは、「相手ありき」という考え方です。

自分のために買うのではなく、相手がいるギフトサービスだからこそ、贈った相手に確実に喜んでもらえる「はずさないギフト」を贈れる機能開発に力を入れています。

1)もらった人が色や香りを選べる機能

もらった人がリップの色やパフュームの香りを選び直せる機能です。ビューティー商品は相手の好みがわからないという方も多いので、はずさないギフトを贈るための工夫です。

2)相手の名前を刻印できる機能

今年の母の日でも非常に好評でした。直近では贈られた側で好きな刻印を入れられるようになっており、出産祝いで子どもの名前を刻印したいという場合など貰った側が自分で名前を指定することができます。

3)ほしいものリスト

自分が欲しいギフトを登録できる機能です。このリストを見ることで、贈る側が相手の希望を把握しやすくなり、ギフト選びに役立ちます。

4)メッセージカード

コミュニケーションの一環として、メッセージカードを添えることができます。思い出の写真や動画と共に贈ることで、より感動的なギフト体験を提供します。

LINEギフトでは、実際の店頭で陳列を工夫するように、商品の見せ方や売り場の作り方に非常にこだわっています。

多くのユーザーは、具体的なギフトを決めずにLINEギフトを訪れます。利用シーンや贈る相手は思い浮かんでいるものの具体的な商品が決まっていないことも多いため、提案型のサービスを提供しています。

トップページには、誕生日ギフトや季節のギフトへの入り口があり、特に誕生日ギフトは利用シーンの7割を占めるため、特別感を意識した売り場づくりを行っています。

また、シーズナルイベントをはじめ、「サマーギフト」「敬老の日」「猫の日」など、世の中の記念日や年中行事に合わせた商品提案にも力を入れています。

EC業界におけるLINEギフトの特徴

次に、EC業界におけるLINEギフトの3つの特徴をいくつかご紹介します。

1)即決購入

LINEギフトは従来のECサイトとは異なり、他サイトとの比較検討が起こりづらい傾向にあります。多くのユーザーは何を買うか決めずにLINEギフトを訪れ、"特定のブランド"を探すというよりも"ギフト商品"を探すモチベーションで利用します。そのため、商品画像や専用のセットなどギフト向けのものをLINEギフト上で見つけ、そのまま購入されるのが特徴です。
※特徴を活用したショップ様の具体的な事例はこちらをご確認ください:にしき食品様 、シュゼット様 

2)カニバリゼーションが起きない

通常のECサイトと異なる導線や動機付けで商品を訴求できるため、新たな販路開拓につながります。自社ECの場合、検索からの流入が主な経路かと思いますが、LINEギフトでは99%がLINEからの流入です。訪れる理由もギフトきっかけという、通常とは異なる入口となります。

3)ギフトシーンを起点にしたポジティブな顧客接点

「ギフト」というポジティブな体験と必ずセットで顧客接点を持つことができるので、商品自体への認知の質が向上しやすいのも特徴です。
※特徴を活用したショップ様の具体的な事例はこちらをご確認ください:ヤッホーブルーイング様

LINEギフトの今後の展開

今後も、「相手ありきのコミュニケーションサービス」をさらに強めることを目指し、具体的には、商品、機能、シーンの3つの分野で取り組みを進めていきます。

ギフト市場やユーザーの行動は時代とともに変わってきました。たとえば、年賀状の送付は減少していますが、LINE上での「あけおめスタンプ」のやりとりは増えています。ギフトについても同様で、オフラインの儀礼的な贈り物は減っているかもしれませんが、身近な人への「お疲れさま」や「おめでとう」といった気持ちをデジタルで表現することが増えているのではないでしょうか。

LINEギフトは“相手ありき”のECサービスの磨き込みにより、ユーザーに「はずさないギフト」を提案できていると自負しています。

10年後には、さらに進化したギフト体験をご提供したいと思っていますので、ご期待ください。
※本記事は、8月20日に開催した「LINEギフト」のメディア向け事業説明会の内容の一部をレポートとしてお届けしました。
なお、「LINEヤフーストーリー」にはレポートに加えて嘉戸のインタビューも記載していますので宜しければご覧ください。

(原稿:LINEギフト事業部)2024年9月24日

※出店には審査がございます